長谷川博己「アンチヒーロー」強力布陣で挑む勝算 VIVANTスタッフと、日曜劇場7年ぶり主演で話題
犯行を否認し、無罪を主張する緋山に対して、検察は決め手になる証拠はない一方で、犯行時についたであろう指紋など4つの状況証拠を揃える。
明墨はその状況証拠を切り崩し、逆に無罪の証拠にすべく動く。
まず犯行現場に残された指紋は、犯行時以前についた指紋だと示した。さらに、犯行現場に居合わせ、社長と緋山の言い争いを証言した証人が、実は聴覚障がい者であり、検察の誘導によって偽証していたことを法廷で暴いた。
第1話の全体像は、無罪を主張する不利な状況の容疑者を信じ、法廷で検察と対峙する弁護士が主人公となる一般的な法廷ドラマだった。
優秀な部下たちを束ねて自身の法律事務所を仕切る明墨は、偏った信念を持つものの、聡明であり、クールに仕事で結果を残す正統派の弁護士として描かれている。一方で、その偏った信念につながるであろう、過去に影を持つ人物としての側面も見え隠れした。
法に触れない範囲で手段を選ばない“アンチ”
では、どこがタイトルで謳う「アンチ」なのか。それは、無罪を勝ち取るためには、法に触れない範囲で、手段を選ばない点になるようだ。
第1話では、検察の示した状況証拠を無効にするために、いくつかの「アンチな手段」が描かれた。1つは、先ほども述べたとおり、犯行時の指紋とされた証拠だ。被害者の5歳の息子に、容疑者の緋山とよく遊んでいたことを証言させ、容疑者が犯行時の前に自宅(犯行現場)に入ったことがあり、指紋はそのときに付着したものであることを示した。
ただし、息子と容疑者は仲良くしていたものの、法廷での証言とは異なり、犯行現場に指紋がついた状況は、別の同僚が息子と遊んだときの話だった。明墨はそれを巧みに利用し、容疑者の行為であるとして法廷で主張したのだ。
もう1つは、犯行現場に居合わせ、隠れて言い争いを聞いていた証人である尾形仁史(一ノ瀬ワタル)の偽証の証明だ。
明墨は、検察側の証人に立場を隠して接触し、飲食をともにするなかで尾形に聴覚障がいがあることを確信した。そして本人の同意がないまま、法廷で聴覚障がい者であることを示し、証言証拠には検察の誘導があったことを証明した。
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