過当競争のエスカレートが如実に表れているのが、風力発電装置メーカーの粗利率(売上高総利益率)の推移だ。
最大手の金風科技は、2023年の粗利率が6.41%と前年比では横ばいだったものの、2021年との比較では11.3ポイントも下がっている。上海電気風電の2023年の粗利率は5.74%と、1年間で8.3ポイント低下した。
情報サービス会社のブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)は3月27日付の調査レポートで、2023年の新増設容量に基づく風力発電装置メーカーのランキングを発表。その上位5社は金風科技、遠景能源(エンビジョン)、べスタス、運達能源科技集団、明陽智慧能源集団の順であり、デンマーク企業のべスタス以外はすべて中国企業だ。
価格は西側メーカーの2割安
BNEFによれば、中国メーカーが2023年に設置した風力発電装置(容量ベース)の98%は国内市場向けだった。本国での収益力低下に悩む中国勢は、海外事業の強化に一斉に動いている。
海外市場で最大の実績を持つ中国メーカーは金風科技であり、2023年の設置容量は748MW(メガワット)だった。だが、これは同社の(中国市場を含む)総設置容量の4.5%に過ぎない。第2位の遠景能源の海外設置容量は561MWで、同社の総設置容量の3.6%だった。
「中国メーカー製の風力発電装置の価格は、西側諸国の競合メーカーに比べて約20%も安い。この価格競争力が、中国勢に輸出拡大のチャンスをもたらすだろう」。BNEFはレポートの中でそう予想した。
(財新記者:趙煊)
※原文の配信は3月29日
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