トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン --硬直化し、残念な日本《宿輪純一のシネマ経済学》

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 お約束であるが、地球侵攻が始まり、シカゴでは街が崩壊する(この崩壊の映像が見事である)。筆者が勤務していたビルも崩壊していた。その後、善のトランスフォーマーと悪のトランスフォーマーの戦いとなる。善のトランスフォーマーは、ガンダムの最終回のようなぼろぼろになるが……。また、これもお約束であるが、善のトランスフォーマーのほうが小柄で弱そうに見える。



    ©2011 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

このトランスフォーマーは“もともと”は日本発のキャラクターである。タカラ(現タカラトミー)が販売していた「ダイアクロン」等の変形ロボットものを米国の玩具会社が業務提携して「TRANSFORMERS」として販売。それを日本に逆輸入したものだ。
 
 米国のマーベルコミックスが漫画を発売、またアニメも放映されていた。この実写版の前にアニメ版映画も製作されている。トランスフォーマー商品群は大ヒットしているが、これが元は日本のものとは、普通の人は分からないだろう。

この“もともとは日本が……”ということが、最近多いような気がする。今では何でできないのか。これは日本全体が硬直化し、新しいものが出なくなってきたこと、新しいものを避けるリスク回避型の経済になったことにほかならないのではないか。これでは明らかに「ゆでガエル」と言われる“ジリ貧経済”である。
 
 アップルが次々と出す商品群は、以前はソニーからウォークマンなど、革新的な商品がガンガン出ていたイメージとダブる。

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