新幹線だけではない「鉄道・運輸機構」の仕事とは? 「JRとは違う」藤田理事長に直撃インタビュー
――ということは、北陸新幹線の工事が終わって人が余るということはない?
ないですね。これからは北海道やリニアに人を振り向ける方向になっていきます。新幹線の場合、どうしてもほかの公共事業の場合と比べて事業量の変動が大きいので法人運営上の苦労がつきません。そこはいろいろやりくりしながら必要な体制を確保していきます。
――リニアにはどういう形でかかわっているのですか。
リニアは事業主体がJR東海で、整備主体もJR東海。私たちは全体の建設工事のうち首都圏の非常口、長野県と岐阜県の間のトンネルなど一部区間を受託しています。
――相鉄・東急直通線もJRTTが建設したのですね。
2005年に施行された都市鉄道等利便増進法に基づく受益活用型上下分離方式という仕組みを使って、われわれが施設を整備・保有しています。ほかの首都圏の路線では私たちが建設して鉄道会社に譲渡するという形が中心です。
――首都圏でJRTTが建設した路線はほかにどんなものがありますか。
みなとみらい線、TX(つくばエクスプレス)、りんかい線、埼玉高速鉄道など。結構たくさんあります。
――東京都が2月に発表した臨海地下鉄もJRTTが建設するのですか。
まだ決まっていません。都は私たちが整備主体として事業に参画することを予定していますが、事業性の評価はこれからなので、JRTTとしての意思決定はまだしていません。とりあえず事業計画の検討をいっしょにやりましょうという合意はしましたが、その結果どうなるかはなんともいえません。
なぜJR3社の株主になったのか
――JR北海道、JR四国、JR貨物の株式を持つようになった経緯は?
もともと国鉄改革に伴い発足した国鉄清算事業団という法人が現在上場している4社(JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州)も含めてすべての株を保有していました。それを上場の環境が整った会社から順次売却して、今残っているのが3社。いっぽうで、清算事業団は1998年に解散し、日本鉄道建設公団がその業務を引き継ぎましたが、2003年から私たちが引き継ぐことになりました。
――JR北海道などの株主総会はどんな感じですか。JR東日本のような上場会社は株主が多いので、ホテルなどの大会場を使って行っています。
昨年、すべての株主総会に出席しましたが、株主が1人しかいないので寂しい(笑)。私と職員が何人かで行く、そんな感じです。
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