3月モスクワのテロ事件はイスラム国の仕業だ! アメリカの警告を受け入れなかったプーチンのミス

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こうしたプーチン政権の強権化を加速させているのが、3年目に入ったウクライナ侵攻だ。侵攻開始直後から、ロシア兵がウクライナ兵捕虜を殺害したり、ロシアの民間軍事会社ワグネル幹部が脱走した傭兵を殺害したとする動画がネット上に出回わっている。

非人道的な残虐行為を犯すプーチン政権

プーチン政権は明らかに非人道的な残虐行為への感覚がマヒしている。ロシア社会全体の人権感覚も一層鈍くなっている。

こうした社会の大きな変化を背景に、先述の被疑者への当局による追及は今後さらに過酷になるだろう。

ロシアの人権活動家の間では、容疑者が、今後の取り調べの中で、ウクライナとの関わりを認める虚偽の自白を強制されたり、当局に協力しない場合、殺される事態を懸念する声も出ている。

この面で今回の捜査の行方は、今後の「プーチン・ロシア」全体の動向を占うひとつの試金石になるだろう。

吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長

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よしだ しげゆき / Shigeyuki Yoshida

1953年、東京生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒。1986年から1年間、サンクトペテルブルク大学に留学。1988~92年まで共同通信モスクワ支局。その後ワシントン支局を経て、1998年から2002年までモスクワ支局長。外信部長、共同通信常務理事などを経て現職。最初のモスクワ勤務でソ連崩壊に立ち会う。ワシントンでは米朝の核交渉を取材。2回目のモスクワではプーチン大統領誕生を取材。この間、「ソ連が計画経済制度を停止」「戦略核削減交渉(START)で米ソが基本合意」「ソ連が大統領制導入へ」「米が弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの脱退方針をロシアに表明」などの国際的スクープを書いた。

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