3月モスクワのテロ事件はイスラム国の仕業だ! アメリカの警告を受け入れなかったプーチンのミス

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なぜウクライナ侵攻でプーチン政権と間接的に軍事的に対峙するバイデン政権が、テロ切迫の情報をモスクワに伝えたのか。それは、外国で犠牲者が出るような危険なテロが切迫しているとの情報を入手した場合、アメリカ政府は当該の外国政府に通告するという原則を定めているからだ。

このため、アメリカは対立するイランに対しても、2024年1月、イラン国内でのテロ情報を伝えている。

ロシア政府はこうしたアメリカの外交原則を承知していた。前例がすでにあったからだ。2019年12月、プーチン氏はロシアでのテロ情報が提供され、事件を未然に防ぐことができたと当時のトランプ大統領に対し、謝意を電話で伝えている。

テロ情報を信用しなかったプーチン

しかしプーチン氏は今回、ワシントンからのテロ情報を信用しなかった。テロ発生の3日前、対テロ作戦の中核である連邦保安局(FSB)での会議に出席したプーチン氏はこう警告をはねのけた。

「これは、あからさまな脅迫である。ロシア社会を脅し、不安定化を狙ったものだ」

なぜプーチン氏は今回、アメリカの警告を受け入れなかったのか。やはり、ウクライナ侵攻で間接的にロシアと対峙するバイデン政権への反発があったと思われる。実際に、事件当夜のコンサートホール周辺の状況を見ると、厳重な警戒態勢をとっていたとは言えない。

これは、明らかにプーチン政権の手落ちである。西側であれば、テロ警備上で大きなミスを犯したとして、政権への批判の大合唱が起きるところだが、ロシアではそうはならない。真の野党も、報道の自由もないからだ。

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