4月10日韓国総選挙・現政権が勝ってもいばらの道 尹錫悦政権の命運かかる選挙戦がスタート

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スキャンダルが浮上しなくとも、尹政権の発足以来の2年間は、政府内の人事起用をめぐる不満が高まっている。

各省庁とも生え抜きの人材を重用せず、検事出身者をはじめとする司法関係者を要職につけていることへの批判である。政権のグリップが弱まれば、これらの不満はさらに顕在化し、足元から不安定さが増してくる可能性が高い。

「タマネギ男」新党も変数

総選挙で対峙する野党側は、「共に民主党」のお家騒動もさることながら、尹大統領や韓東勲氏と激しく対立する元法相で、前政権で「疑惑のタマネギ男」と揶揄された曺国氏が立ち上げた新党が勢いづき、比例でそこそこの議席を獲得するのではないかとみられている。

現段階では、もともとの「共に民主党」の支持層の一部が曺国氏の新党に乗り換えるケースが目立ち、すそ野が広がっているとは言えないものの、投開票日までにどんな風が吹くかは誰にもわからない。

尹政権は北朝鮮政策を最重視し、強硬一辺倒を続けてきた。だが、これとて11月に控える米大統領選の結果次第では、大きな政策変更を余儀なくされることもありうるだろう。

4月10日の総選挙は尹政権の命運がかかる。しかし、その後も尹政権の内憂外患は続く。

箱田 哲也 朝日新聞記者

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はこだ てつや / Tetsuya Hakoda

1988年4月、朝日新聞社入社。初任地の鹿児島支局や旧産炭地の筑豊支局(福岡県)などを経て、1997年から沖縄・那覇支局で在日米軍問題を取材。朝鮮半島関係では、1994年にソウルの延世大学語学堂で韓国語研修。1999年からと2008年からの2度にわたり、ソウルで特派員生活を送った。

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