4月10日韓国総選挙・現政権が勝ってもいばらの道 尹錫悦政権の命運かかる選挙戦がスタート

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「改めて」というのは、この騒動の前にも韓東勲氏は尹大統領と対立し、完勝した前哨戦があったためだ。それは尹大統領の夫人、金建希氏をめぐる「事件」だった。

金建希氏は夫が大統領に就任後、知り合いから高級ブランドのバッグを受け取ったとされる映像がネット上に流出。違法行為だと攻勢を強める野党に対し、尹大統領や政府は長く放置したままやり過ごしていたが、韓東勲氏は2024年1月、「国民目線に合った」対応の必要性に言及した。

総選挙が近づく中で、このままでは劣勢を強いられるとの判断からの発言とみられるが、大統領側は強い不快感を抱いた。

発言後、日本で言えば官房長官的な役割を担う大統領秘書室長が、事実上の党のトップに就いたばかりの韓東勲氏に直接会い、辞任を要求。これに対して韓東勲氏は辞任を求められた事実とともに、一蹴したことを報道陣の前で暴露した。

つきまとう「大統領夫人リスク」

大統領のアバターどころか、名実ともに与党の主導権の完全掌握を狙うかのような韓東勲氏の単独行動に、韓国メディアでは政府との対立は避けられないとの観測も流れたが、尹大統領側がそれ以上の圧力をかけるのをやめたため、事態はいったん沈静化した。

高い人気を背景にする韓東勲氏と一戦交えることになると、総選挙に惨敗し、自ら死に体化を招きかねないとの判断があったためだろう。

しかし、政治のプロではないだけでなく、互いに検事出身という政権と与党のツートップのしこりは確実に残っているとされる。総選挙で野党が再び、単独過半数をとることになれば、尹政権は手足がしばられた状態に陥るが、与党が善戦したとしても韓東勲氏が救世主として信頼を集め、現在以上に次期リーダーとして脚光を浴びることになろう。

総選挙の選挙戦が始まるやいなや、「共に民主党」は全国の各候補に対し、金建希・大統領夫人の高級ブランドバッグ授受疑惑に焦点をあて、それぞれの選挙区で訴えるよう指示したと韓国メディアは報じている。

総選挙の結果にかかわらず、早くから尹大統領の最大の弱点と言われ続けてきた夫人問題に再び光が当たるのは避けられそうにない。そうなった時、「国民目線」という言葉を多用する韓東勲氏が今度はどう対応するのか。

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