ベンダーが見つからない
――約1割の自治体で、2025年度までのシステム移行が困難になっていることが明らかになりました。なぜ遅れているのでしょうか。
A 現在契約する中堅ベンダー(※システムの構築や運用を担う事業者)が「対応できない」と撤退の意向を示したので、一部業務で期限内の移行を断念せざるをえなかった。ベンダーも現行のシステムを大きく作り替える形で新しいシステムを開発するとなると、単純な更新作業とはかなり工数が違って、対応が難しいようだ。
国は既存ベンダーだけでなく、フラットにさまざまな業者を検討すべきと言っているが、そう簡単な話ではない。他のベンダーを探しても、全国一斉で進められている今回のプロジェクトへの対応でベンダー側も人手が逼迫しており、既存顧客以外に新規対応してくれる業者は極めて少ないのが実情だ。
B うちの場合、契約する地場ベンダーに継続して移行を担ってもらえることにはなった。ただ、現行システムが独自開発した仕様になっている関係で移行作業に時間がかかり、完了は期限の翌年度になりそうだ。
ベンダー側はSEが不足しており、他自治体でも五月雨式に間に合わなくなりそうだ、との話も出ていると聞く。今後、期限内の移行が困難な自治体はさらに増えていくのではないだろうか。
C ベンダーの人的リソースが不足しているのは、大手の事業者であっても同様だ。特別区などの大都市の場合は、名前を知られている大手との契約が多い。われわれも基本的には現行ベンダーとの契約を継続するかたちを取っているが、それでも一部では間に合わないと言われている。
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