アパの成功の1つの要因になっているのが、代名詞とも言える、「トリプルワンシステム」だ。「トリプルワンシステム」とはその名の通り、「3つの1」を実現するシステムのこと。内訳は、「1ステップ予約、1秒チェックイン、1秒チェックアウト」だ。どんな内容か、ここで簡単に説明しよう。
まず「1ステップ予約」は、予約専用の「アパアプリ」をインストールして目当てのホテルを登録しておけば、ホテル、宿泊日、到着時間を選択するだけで予約が完了するサービスだ。
次に「1秒チェックイン」とは、到着前、アプリでチェックインボタンをクリックし、QRコードを発行。到着後に、「1秒チェックイン専用機」にスマホをかざせばルームキーが発行され、チェックインが完了する。
最後の「1秒チェックアウト」は宿泊後、返却ポストにキーを入れるだけでチェックアウトができる。
いずれも現在はそう珍しいものではないが、アパがオンライン決済とアプリ予約サービスを開始した時期は2017年4月。コロナ禍より前の話だ。
アプリを開発した背景は?
導入した理由について元谷氏は、「オンライン決済は、スマホとルームキーがつながる未来を見据えての開発でした。またアプリ開発のきっかけは、GAFAが『検索表示からの予約成立時に一定のコミッションを取る』方式に転換したことです。コミッションを削減して個人を囲い込むには、アプリしかないと考えました」と振り返る。
当初はまだQRコードの発行はなく、チェックイン機での入力が必要だった。だが2020年6月、コロナ禍を受け、QRコードでルームキーを発行できる「1秒チェックイン専用機」の順次導入がスタートする。狙いは、さらなるスピードアップと非接触にあった。
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