投資初心者が知らない「投資と投機」の決定的な差 今から投資しても間に合うのかを考える

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そこで日経平均株価を使って、実際のROEとPBRの関係を見てみましょう。

散布図グラフは、日経平均株価の予想ROEとPBRをそれぞれ、横軸と縦軸でプロットしたものです。散布図ですから時間の経過はわかりません。例えば、直近月末の2024年2月の日経平均株価のROEは8.8%、PBRが1.4倍ですから、グラフのなかの黒点に位置します。

このように、2004年6月から毎月末の日経平均株価のROEとPBRを使ってプロットすることで、下図の散布図が書けるのです。

ROEとPBRの関係

この散布図については、赤丸の領域となるROEが8%以上のとき(図の右側)と、白抜き丸領域の8%を下回るとき(図の左側)の2つに分けて説明する必要があります。

まず、“ROEが8%以上のとき”を見ると、赤丸は青矢印に示されるように左下から右上の方向に向かってプロットしています。横軸のROEの上昇に連動してPBRが高くなっている傾向です。実際の日経平均株価で見てROEが高くなると、価値の創造への期待が高く、株価も上昇することで、PBRが高くなるという関係がうかがわれます。

ここで統計の代表的な手法の回帰分析を用いてみましょう。回帰分析は青矢印に示される右上の方向を一方の直線で説明した式を表します。その結果PBR=-2.02 +0.38×ROEという式が求められました。算出式でROEと掛け合わされている値が0.38となっています。これはROEが1%上がると、PBRも0.38倍分上がることを表します。

PBRは純資産に対してどれだけ株価が買い上げられるかを見るものですから、ROEが1%上がると、純資産の0.38倍分株価が買い上げられることを示します。このようなROEとPBRの回帰式を筆者はPB”R”OE(ピービ―アールオーイー)モデルと呼んでいます。

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事