投資初心者が知らない「投資と投機」の決定的な差 今から投資しても間に合うのかを考える

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出資したお金は、原料の購入や設備投資などに使われてビールという価値のあるものが生まれます。企業がビール販売により得られる利益は価値を金額でわかるように評価し直したものとも言えます。毎年積み上がっていく利益が、将来、出資額を上回る見込みがあるなら、この会社への出資は投資となります。

少々説明が難しかったかもしれません。もう一方の“投機”の説明がわかれば、投資のこともより深くわかります。投機は“価値を創造しないもの”です。代表的な投機は、商品相場でよく行われたりします。

例えば、アメリカで干ばつが深刻な年には、小麦の収穫が減ります。供給不足を見込んで、事前に小麦を買っておけば、将来価格が上昇するので、もうけが期待できるというものです。小麦を買った人は、投じたお金が何かの生産活動で価値を生むことを期待しているわけではありません。単純に小麦の供給不足で値上がりを期待するというものです。

少し難しいお話に聞こえたかもしれませんが、ポイントは投じたお金が価値を生むものに使われて、将来、投じたお金を上回る価値が期待されるなら“投資”。そうでなけれれば“投機”のようにザックリと捉えるくらいで十分です。

株価が堅調に推移してきた背景

ところで、足元にかけて株価が堅調に推移してきた背景にはさまざまな要因があります。1月からの新NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)開始で個人投資家の株式投資姿勢が高まってきたことも、その1つです。また、外国人投資家の日本株の大幅買い越しなども株高の牽引役となってきました。その外国人投資家の買いが増えた大きな理由には、日本株の投資魅力が高まってきたこと、そして、今後も魅力が高まるだろうとの期待があります。

昨年3月に東京証券取引所(東証)から上場会社に対する要請がウェブサイトで公開されました。内容は、株価の上昇を目指して、経営者が企業の魅力を高める意識を持ってほしいとの趣旨です。先ほど解説した“投資”の定義にも関係しますが、魅力を高めるには、企業が“価値をどれだけ創造できるか”が重要です。

これは企業が投資家から集めたお金、つまり株主資本に対して、どれだけ利益を稼げるか、つまり収益性の尺度であるROE(アールオーイー、株主資本利益率=純利益 ÷ 自己資本)を高めるということになります。

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