東大教授が教える「独学で学び直し」ポイント3つ 「知識吸収型の勉強」だけでは役に立たない
そこに日本の学校教育の課題があると思います。海外の小中学校では、自分で考えさせたり意見を言わせたりするトレーニングに重点を置く国も少なくありません。
日本でもだいぶ変わってきたとは言われますが、小中学校のどこかの段階で、もっと自分で考える勉強をしっかり身につける、その必要性を感じています。教科書を読むときも、その中から自ら問いを見つけ出すような、教科書と「ケンカ」をするくらいの読み方をしていかないと、一生モノの深い勉強にはならないのです。
多くの方々が、そうした環境で学んできたので、大人になった今でも「勉強とは、何かを教わって知識を吸収すること」だと思っている人が少なくありません。
しかし現代では、知識というものはインターネットさえ使えば小学生でも手に入れられます。仕事もしかりで、知識さえあればできる仕事では、簡単にコンピュータに負けていきます。知識吸収型の勉強だけでは、役に立たないのです。
大人の勉強3つのポイント
「大人の勉強」は、このような「子どもの勉強」から脱皮しなければいけません。知識プラスアルファの何かを生み出せるか、が仕事では問われるものだし、仕事だけではなく広い意味での社会生活や、人生をより良く生きていくためにも大切なことだと思います。
この点も踏まえると、「大人の勉強」のポイントは、知識を単に覚えることに終始するのではなく、以下の点に注意して、自分の頭で考える工夫をすることでしょう。
②好奇心や目的意識を呼び起こすこと
③時間がないことを前提にすること
大人と子どもの大きな違いは、社会経験の長さです。ですから①に挙げられているように、そこで得られた経験や知見をしっかり整理して一般化させることが、リスキリングや大人の勉強の大きなポイントです。
②は、子どものときのように、明確なゴールがないことから生じているポイントです。大人でも資格試験勉強のように、明確な勉強の目標が存在する場合もあるでしょう。
しかし、多くのリスキリングがそうであるように、はっきりとした目標はないものの、漠然と勉強したい、スキルアップをしたいと思っているケースも少なくありません。その場合には、勉強したいモチベーションを高めるための工夫、とくに好奇心を呼び起こす工夫が必要になります。
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