ネット広告を荒らす「悪意」に社会は勝てるのか 広告市場は過去最高でもメディアが暗い理由
小出氏は大手企業宣伝部に長く在籍し、業界団体でネット広告の課題克服にも取り組んできた。やはりネット広告の問題点を挙げていき、解決策としての認証システムを熱く語った。ちなみに、東洋経済新報社はクオリティメディアコンソーシアムの参加社であり、JIQDAQの認証も得ている。
長澤氏と小出氏が強調するのは、広告にお金を出す企業の側がネット広告の問題点をまだまだ認識していない点だ。ネット広告はこれまで、マスメディアに出稿するより安くて使いやすいことばかり強調され、危惧すべき点について経営レベルで語られてこなかった。
長くこの問題を憂慮してきた両氏だからこその、力の入ったプレゼンだったが、PMPと認証機構さえあればすべて解決するというものでもない。放置しておくと、悪意がますますネット社会を侵し、まともなメディアが悲鳴をこえて崩壊しかねない。
安心して楽しめるメディア環境はみんなでつくる
今はその分岐点ではないか。両氏が言うとおり、企業はこの問題が今や社会そのものを脅かしていることを認識し、人手や予算がかかっても決然と対処する判断をトップレベルですべきだ。広告は強引に表示しても効果はない。また企業のブランド価値を支える重要な活動でもある。その認識を、ネット広告の世界でも忘れてはいけない。
読者の皆さんにもぜひこの問題に関心を持ってもらいたい。特に安易にお金が儲かりそうな投資に誘う広告には気をつけ、場合によってはしかるべき通報をしてもいいかもしれない。広告はコンテンツを安価で楽しむことができる仕組みで、企業と読者を健全に結ぶシステムでもある。悪意を駆逐し、安心して楽しめるメディア環境をみんなで整えたいものだ。
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