「X2/iX2」新型のBMWは何がどう新しいのか? メルセデスに先駆けヒットしたSACの進化系

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SACの定義をBMW自身の言葉を借りて説明すると、「(ウインドシールド上端から)リアエンドにかけてなめらかに続くルーフラインに、それがもたらすちょっと小さめなキャビンを持つ、クーペ的なシルエット」のSUVとなる。

X2はかような理由で、BMWにとって大事なモデル。決して思いつきでラインナップに加えられた鬼っ子ではない。実際、新型は先代のキープコンセプト。つまり、このデザインは成功したということだ。

リアビューは新しいがBMW車とすぐわかるデザイン(写真:BMW)
リアビューは新しいがBMW車とすぐわかるデザイン(写真:BMW)

キャビンは小さめのため、パーソナル感が強い。4人乗れる実用性より、前席乗員のためのクルマというイメージが打ち出されている。

BMWは、クーペを得意としてきたことで知られている(メルセデス・ベンツもそうなのだけれど)。戦前はおいといて、1965年の「2000C」(ノイエクラッセと総称されたシリーズの1台)にはじまり、いまもクラシックスとして評価の高い1971年の「3.0CSi」、さらに1977年の初代「6シリーズ」や、1989年の初代「8シリーズ」と“名車”が連綿と続く。

初代8シリーズは、V12エンジン搭載の850iなどが日本でも販売された(写真:BMW)
初代8シリーズは、V12エンジン搭載の850iなどが日本でも販売された(写真:BMW)

先に触れたSAVのXシリーズについても同様で、当初は「出しても市場があるのか……」、と不安もあったようだ。

おもしろいのは、メルセデス・ベンツのエピソード。同社も似たコンセプトを温めていたが、販売に踏ん切りがつかずにいたところ、BMWがX4を成功させたので、2016年に「メルセデス・ベンツGLCクーペ」を発売したのだと、私は本社の開発者から聞いたことがある。

ボディはひとまわり大きく

話を今回のX2に戻すと、全長が従来モデルより194mm伸びて4554mm(日本表記では4550mm)となったことをはじめ、全幅は21mm拡大して1845mmに。全高は64mm持ち上げられて、1590mmとなった。ホイールベースは、22mmの延長で2692mm(日本表記は2690mm)。

ボディがひとまわり大きくなったのは、衝突安全性と、新設定されたピュアEV(BEV)との「iX2」で大容量バッテリーを搭載するためではないかと思う。

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