52万円「Vision Pro」エンタメ目的なら価値あり ハワイで買う日本人続出、使ってみた感想は…

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iPhone 15 Proで撮影できる立体映像の空間ビデオをVision ProにAirDropして確認してもらう手法をとる現場も増えていくかもしれない。Vision ProもiPhone 15 Proも高価な機材とはいえ、オフィスと現場の密なコミュニケーションをシームレスに行える仕組みはメリットがあるからだ。

働き方改革としても期待できる

現場に足を運ばなくても確認作業ができる点は、建設業における時間外労働の上限規制(2024年問題)など、長時間労働を是正しながらも生産性を向上させる働き方改革としても評価されるのではないだろうか。

同様のソリューションは10万円以下のXRヘッドセットを用いても実現可能だが、隅々を細部まで確認するとなると主にゲーム用として作られた広視野角のXRヘッドセットより、狭視野角ゆえスペック以上に高精細だと感じるVision Proが求められていくと考えられる。

とはいえ、誰もがいますぐ手を伸ばすべきデバイスではない。なにせ日本での発売が決まっていなければ、実ユーザー数の把握もしにくい現状ゆえ、Vision Pro用のビジネスアプリやソリューションが増えていくとは言い切れない状態だ。アメリカで購入したはいいけれども返品制度の期限が来るまでに返品したユーザーも多いという。消費者目線で見ると海のものとも山のものともつかないデバイスだ。

少なくとも社会の役に立つと思えるアプリが出揃ってくるまでは、静観していいだろう。

武者 良太 フリーライター

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むしゃ りょうた / Ryota Musha

1971年生まれのガジェットライター。90年代に出版社勤務の後、フリーライター/カメラマンとして独立。スマートフォン、モビリティ、AI、ITビジネスからフードテックなど、ハードウェアレビューから、ガジェット・テクノロジー市場を構成する周辺領域の取材・記事作成を担当する。元Kotaku Japan編集長。

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