LRTか、それともバスか?中国製「ART」とは何者か レールなし、路面の白線マーカーに沿い走行
2月1日から4日にかけて、マレーシアの首都クアラルンプール近郊、プトラジャヤ地区にて中国中車(CRRC)株洲が開発を進めている「ART(Autonomous Rapid Transit)」の、東南アジアで初となる一般向け試乗会が開かれた。
日本ではまだほとんど知られていないART。見た目はLRTだが車輪はゴムタイヤで、さらに運転台には丸いハンドルまで付いている。車体も3連接で、最大5連接にまで伸ばせるというから驚きだ。
LRT並みの輸送力で低コスト
進路の制御は、ART専用に設置した道路上の白線マーカーを光学式センサーが読み取り、これに沿って走行する。丸いハンドル(ステアリングホイール)も設置しているが、これは搬入時や非常時、また車庫等での入れ換えなどの際に機動性を確保するためである。今回の試乗会も、
動力はバッテリー駆動だ。ただ、各国のバッテリー式LRTで見られる充電用のパンタグラフはなく、車体側面に急速充電用のソケットがある。そういった点ではLRTではなくEVバスに分類されそうだ。実際に、車体前面にはナンバープレート設置用の枠がある。
CRRCはART開発の理由について、LRT並みの輸送力を保ちつつ、整備費用を大幅に削減できることを掲げている。ゴムタイヤ式のため加減速に優れ勾配にも強い。その反面、鉄車輪方式に比べてエネルギー効率は悪い。定員は一般的な連接バスの約2倍となる239名(3連接車体の場合)で、設計最高速度は時速70kmだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら