【産業天気図・ビール/飲料】大型新商品不在の中、安売りを仕掛けるのはどこ?

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2006年に入り、夏を待たずしてビール業界の販売競争が過熱している。火付け役は05年に大ヒットとなったキリンビール<2503.東証>の「のどごし〈生〉」。その好調によってキリンは06年1~2月のビール系ジャンル(ビール、発泡酒、第3のビール)でアサヒビール<2502.東証>を抜き、首位に返り咲いた模様。対するアサヒはドブ板営業で稼ぐ業務用ビールに注力。メガブランド「スーパードライ」を中心とした販促戦略を強化している。サントリー<非上場>も新製品「ジョッキ〈生〉」を発売、サッポロビール(サッポロホールディングス<2501.東証>傘下)のシェアに肉薄している。
 06年は第3のビールのような大型新製品がない。このため、メーカーは既存ブランドを相次ぎリニューアルしている。消費者へ新鮮味を提案することが難しいこともあり、シェア争いの末に価格競争に突入する懸念もぬぐい切れない。06年のビール総需要が前期比2%減と見込まれる中では、シェア争いに勝っても実際の販売数量はせいぜい横ばいか微増止まり。「勝ってもそこそこ、負ければ粗利が下がって大幅減益」というのがビール業界の常。メーカーによって薄曇りと雨とが混じりそうだ。
 清涼飲料業界も06年は曇り。05年はどのメーカーも「緑茶戦争」の広告販促費が膨張、新製品も不発に終わり販売計画を下方修正するメーカーが少なくなかった。この反省を生かし、06年は基盤ブランドの強化を掲げる社が多い。コカ・コーラ各社の「爽健美茶」「一」、キリンビバレッジ<2595.東証>の「午後の紅茶」「生茶」、アサヒ飲料<2598.東証>の「十六茶」「若武者」など、茶系飲料のリニューアルが相次いでいる。新製品のヒットが期待薄な分、ある程度の数量が稼げる既存ブランド強化にメーカーは走る。ただし、消費者にはお馴染みのブランドのため、一時的な数量増で終わる懸念もある。こうなると、ここでも過熱するのが販促戦争だ。コンビニでは首かけのおまけが増え、量販店での安売り競争が加速する。新製品効果による数量上積みではなく、基盤ブランドの強化で収益改善へと方向転換を始めた清涼飲料業界。大化けもなければ、大コケもない。良くも悪くも「曇り」となりそうだ。
【前田佳子記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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