「タイのEV市場は新たな急成長のフェーズに入った。(わが社は)このタイミングを逃さずチャンスをつかみ取りたい」。広汽アイオンの国際事業部長を務める陳頑氏は、2023年11月の広州モーターショーの会期中にそうコメントしていた。
広汽アイオンがタイでの現地生産をスピード決断した背景には、EVの普及と関連産業の誘致を進めるタイ政府の政策がある。
タイ政府が2024年初めに施行した「EV3.5」と呼ぶ新政策では、EVを購入した消費者に対して1台当たり最高10万バーツ(約42万円)の補助金を支給する。だが、輸入車が支給対象になるのは2025年までで、2026年以降は現地生産されたEVに対象が限られることになった。
成長と利益を求めて海外へ
中国メーカーのなかでは、国有大手の上海汽車集団、長安汽車、民営メーカーの長城汽車(グレートウォール)などが、すでにEV3.5の適用をタイ政府に申請して認められた。財新記者の取材によれば、広汽アイオンも申請書類を提出済みであり、タイ政府が審査中だという。
中国の国内市場ではEVの販売台数の伸び率が鈍化し、価格競争が熾烈になっている。そんななか、多数の中国メーカーが成長空間と利益を求めて、海外市場への進出を加速させている。
広汽アイオンも例外ではない。同社は2024年の販売目標を(前年の約1.5倍の)70万台に定め、2025年には100万台超を目指す。その実現のためには、中国市場でのシェア拡大とともに海外市場の開拓が欠かせない。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は2月1日
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