豪元外相、「広島旅行が私の人生を決めた」

若い頃の旅は、きっと人生の道しるべになる

多くの人々が悲惨な目に遭い苦しむのは、つねに戦火の下だと認識したことで、私は紛争解決と防止を目的に主に大臣として、また国際的NGO(非政府組織)のリーダーとして活動してきた。

ベトナム旅行の数日後、私はカンボジア(当時まだ平和を保っていた)旅行中に学生たちと一緒にビールを飲んだり、麺料理を楽しんだり、ローカル列車やバスに乗って各地を見て回ったりした。楽しい経験だった。

若い頃の旅から学んだ共通の人間愛

同じ年、私はアジアの各地で同じような経験をした。それから数十年の時が過ぎたが、私はインドネシアやインド、その他の地域で当時出会い共通の経験をした人々に再会することが頻繁にある。しかし、カンボジアの当時の友人に会ったことは、いまだにない。

理由は数年後、1970年代のクメール・ルージュ(ポル・ポト派)による大虐殺で彼らが一人残らず死んでしまったからだ。国に敵対するブルジョワ階級や知識層としてターゲットになり、キリングフィールドで処刑されたか、100万人以上の人々がそうであったように、強制労働による飢えや病気に苦しみながら命を落としたか、いずれかだった。

20年後、オーストラリア外相を務めた際には、国連のカンボジア和平計画を推進する機会を得た。その後も、虐殺や、主権国家の国境の陰で起こる大規模残虐犯罪の被害に遭う危険にある人々を「保護する責任」が、国際コミュニティにあるとする原則について、世界的な賛同を得るべく海外スタッフと協力している。

若い頃の旅から私たちが学んだ共通の人間愛は、地球市民としての責任と、世界をよりよい場所にするために最善を尽くす、という希望を生み出す。次世代の学生旅行者たちが、われわれの世代よりよい結果を残し、願望を現実へと変えていくよう願っている。

週刊東洋経済2015年6月20日号

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