北朝鮮「3日連続砲撃」に韓国が反応するヤバさ 年明けから朝鮮半島で緊張感が高まっている

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韓国情勢に詳しい政治アナリストたちは、北朝鮮の敵対宣言だけでなく、韓国の尹錫悦大統領が率いる保守政権の強硬姿勢もあって、緊張激化の危険性をこれまで以上に懸念している。

「2024年は、挑発行為や緊張の高まり、DMZやNLL沿いでの戦術的衝突の可能性が高まる年になりそうだ」と、元CIAアナリストで、ヘリテージ財団のシニアリサーチフェローであるブルース・クリングナーは語る。

「衝突の可能性は高まっている。南北ともにDMZの付近の大胆な軍事行動にさらに前のめりになっており、尹大統領は前大統領よりも(北に対して)毅然と対応する姿勢を示している」

双方とも先に譲歩する気はない

2018年に合意された包括的軍事協定が崩壊したことは、双方の武装部隊が事実上より接触する可能性が高まることを意味する。NLL沿いで行われたようなやり取りの危険性は、「双方が弱いと思われないように努力する可能性が高い」ことだと、政治社会学者のアンドレイ・ランコフ国民大学・教授は言う。

「双方とも先に譲歩する気はなく、エスカレートする可能性がある。北朝鮮が尹政権の超タカ派的な政策路線を懲らしめようとすることは十分に考えられる」。

朝鮮半島が再び、北を支持するロシアと中国と、韓国の同盟国であるアメリカとの対立地帯となる中で、緊張は高まっている。昨年9月にロシアのウラジミール・プーチン大統領と北朝鮮の首脳会談を行なって以降、両国は軍事的・経済的な結びつきを強めている。

金正恩政権は、ウクライナ戦争の最前線に向かう列車に、貯蔵していた大量の大砲弾薬を積んだ。さらに、アメリカ当局によれば、ここ数日、ロシアは北朝鮮が提供した弾道ミサイルをウクライナに向けて発射している。

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