2023年はYOASOBI独走、大御所スピッツが急浮上 音楽チャートと「紅白」の意外と深い関係性

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多くのファンが「SNSで使いたい」となり、TikTokでも人気を博した。アニメのコスプレや「推し」のアイドルの動画、歌ってみたなど、さまざまな動画で使用された。まさに現代のヒット曲だろう。

2位はOfficial髭男dism(ヒゲダン)の「Subtitle」(2022年10月リリース)。ドラマタイアップの楽曲で、年初から米津玄師「KICK BACK」(年間4位)とハイレベルなつばぜり合いを演じた。指標面ではストリーミング2位、ダウンロード3位、ミュージックビデオ3位と安定の強さ。ヒゲダンは2019年の「Pretender」が44位に入るなど、100位内に8曲がランクインしている。

3位のVaundy「怪獣の花唄」は2020年5月リリースの楽曲。2022年以降は右肩上がりとなり、同年のNHK・紅白歌合戦の出場で注目され、2023年は上位をキープし続けた。指標面はストリーミングで3位、カラオケで1位。地上波の露出の影響度と、ファンが非常に長く楽曲を聴き続けることがわかる一例だろう。

9位はなとり「Overdose」。ストリーミング7位、ミュージックビデオ10位と健闘した。なとりはシンガーソングライターで現在20歳の若手。米津玄師やキタニタツヤに影響を受けたと語っている。主戦場であるTikTokでバズるだけでなく、うまくストリーミングの聴取につながった例だ。

デビュー33年目のスピッツがランクイン

近年では非常に珍しく、ベテランもトップ戦線に進出した。スピッツ「美しい鰭(ひれ)」(10位)だ。同曲は劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の主題歌として書き下ろされた。映画とともに、デビュー33年目のベテランがヒットを飛ばしたのは快挙といっていいだろう。

ベテランの場合はファンの年齢層も高くなるため、ストリーミングなど、デジタルで思うように結果を残せないことがある。だが、スピッツは映画をきっかけに新規ファンを取り込み、ストリーミングで11位、ダウンロードも11位と両面で結果を出している。

スピッツは近年、以前の楽曲を使用したタイアップがみられていた。コンテンツ制作サイドにファンが多いことから、今年の大ジャンプにつながった背景があるようだ。

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