2023年はYOASOBI独走、大御所スピッツが急浮上 音楽チャートと「紅白」の意外と深い関係性

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このように、アニメやドラマ、映画などタイアップの強さは際立つものの、タイアップなしの楽曲もある。そして、無名の若手でも、ベテランにもヒットを飛ばすチャンスがある。現在の多様な音楽シーンが浮かび上がるチャートだった。

ビルボード事業本部上席部長の礒﨑誠二氏は「2023年はストリーミングのロングヒットが増えた。CDなどのセールスでドンと上がっても持続しない。ファンは想像よりもはるかに長く聴き続けるし、ダウンロードもし続ける」と分析する。やはり長期で聴かれる話題作り、発信が重要になる。

King & Princeのベストアルバムが首位で、140万枚を売り上げた。Snow Manも126万枚を売り上げ2位。韓国グループのSEVENTEENも大活躍している

やはり大きい紅白の影響力

続く2024年の緒戦で注目されるのはAdo「唱」。週間チャートで総合首位を維持している。リリースは2023年9月で、ロングヒットとなっている。注目されるのは初出場となったNHK紅白歌合戦の効果だろう。

紅白が一般層に与える影響は大きい。米津玄師の大ヒット曲「Lemon」は2018年末に生中継で登場すると、多くのメディアで話題になり、出演直後からダウンロードやミュージックビデオのポイントを伸ばした。そして2018年に続き、2019年も年間チャートを連覇したのだ。

初出場組の10‐FEET(「第ゼロ感」が2023年5位)やMrs.GREEN APPLE(「ダンスホール」が7位)などが注目されそうだ。もちろん、YOASOBI「アイドル」も再度盛り上がる可能性がある。

無名の若手が一気に注目され、ベテランもヒットを飛ばす。XGのように海外でのヒットを狙うグループもある。近年のチャートはロングヒット曲も多いが、多様化が一段と進んでいるように感じられる。2024年も頂点を目指し、激戦が繰り広げられそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事