「フィリピン留学」コロナ禍から復活を遂げた現在 日本の学校も「マクタン島やボホール島」に進出

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また今後はIELTS対策や親子留学にも力を入れる予定と言い、今後、セブ留学の可能性として注目すべきは、親子での留学です。

とことこあーす株式会社(本社:大阪府大阪市)は「EARTH留学」として、セブ島での親子留学を提供しており、今回実施先の学校を訪問しました。

同社が提供するのは、子供と同年代のフィリピン人の子供をバディとして一緒に英語で遊んだり、現地校の体験入学や孤児院の訪問をしたりと、学びと体験を組み合わせたオーダーメイドプログラム。現地のホテル内に学習施設や子供の遊び場、プールがあるため、安心して親子で過ごすことができます。

同社、代表取締役CEOの戸田愛氏は次のように話します。「EARTH留学は、私自身の子供たちとの世界一周経験から生まれました。親子での海外体験が子供の成長にどれほど影響を与えるかを目の当たりにし、観光や座学ではなく実際の交流体験を通して、自己肯定感や好奇心を育むカリキュラムをお子様に合わせて届けています。親子で海外体験できる時間は限られているからこそ、EARTH留学でお子様の未来の可能性を感じていただき、親子時間を楽しんでいただけたらと思っております」。

こちらも渡航前のオンラインでの顔合わせと現地での対面を組み合わせたハイブリッド型の仕組みで、フィリピン留学の良さを十分に活かした作りとなっています。海外進学や海外移住のニーズが高まりつつある中で、親子留学の選択肢の一つになりそうです。

日本の学校法人のフィリピン進出の動きも

また新しい動きとして日本の大学・専門学校などの学校法人もフィリピンに進出を始めています。

マクタン島に位置するラプラプセブ国際大学(LCIC)は、2021年に設立されたばかりの日本資本の株式会社立大学。外国語学部、ツーリズムマネジメント学部、理学療法士学部があり、3年生までで現在約500名のフィリピン人大学生が学んでいます。2024年8月から新しく工学部も開学するということです。またここは日本人の留学生の受け入れも積極的に行っており、4週間および18週間で英語を学ぶことができます(IELTS 5.5のスコアがあればフィリピンの授業の聴講も可能ということでした)。

ラプラプセブ国際大学の大浴場(筆者撮影)

同校のユニークな点は留学中の生活環境にあります。フィリピン人学生と日本人留学生が同じ居住スペースに滞在するのです。しかも学内にある滞在施設の最上階には大浴場があり、なんと露天風呂やサウナまで完備されています。和気藹々としたいわゆる昭和の日本式コミュニケーションで、日比の学生交流を促す仕組みです。食事も日本人シェフが監修したメニューが並び、学内施設のトイレはTOTOの最新式のもの、エアコンは東芝製とMade in Japanへのこだわりを感じます。

セブ島からフェリーで約2時間のところにリゾートとして有名なボホール島があります。円錐形の丘が1000個以上も連なる「チョコレートヒルズ」の絶景や世界最小のメガネザルの「ターシャ」などの観光資源が豊富な島ですが、ここでフィリピン人が日本語を学んでいます。

次ページボホール島は、知られざるフィリピン留学の穴場
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