EU、ChatGPTなどAI技術の「包括規制案」で合意 西側諸国で最も包括的なAI規制になる見通し
欧州連合(EU)は、人工知能(AI)に関する規制案で合意に達した。西側諸国で最も包括的なAI規制になる見通し。
EUの行政執行機関である欧州委員会のブルトン委員(域内市場担当)は今回の合意について、技術革新の促進と、人々や企業の権利保護の間でバランスを取るものだと説明した。
9日早くの声明でブルトン委員は「われわれは市民の基本的権利を保護しながら、法執行のサポートでAIの可能性を最大限に活用することの間で適切なバランスを見つけることに多くの時間を費やした」と述べ、「われわれは欧州におけるいかなる大規模な監視も望んでいない」と付け加えた。
欧州委と欧州議会、EU加盟27カ国の代表らは今週、37時間を超える交渉の末、米オープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」やグーグルの「Bard」などの生成AIツールに対する一連の規制に合意した。
規則に違反すると金銭的な罰則
ブルトン氏によると、交渉者らはセーフガードと適用除外を条件に顔のライブスキャンを一部認めることで合意した。政治的・宗教的信条や性的指向、人種など慎重に扱うべき特徴によって人々を分類する生体スキャンは禁止される。これは今回の協議で最も難しく微妙な問題の一つだったと当局者は話した。
規則に違反した企業には、金銭的な罰則が適用される。違反の内容や企業規模に応じ、最高3500万ユーロ(約55億円)もしくは年間世界売上高の7%の制裁金を科す。
同案はEU加盟国と欧州議会の正式な承認を得る必要がある。米議会による有意な措置がない中、今回のEUの合意は急速に発展するAI技術を巡る規制の方向性を決める画期的政策の重要な一歩となる。
原題:EU Strikes Deal to Regulate ChatGPT, AI Tech in Landmark Act (3)(抜粋)
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著者:Jillian Deutsch
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