スペーシアを「買う前に知りたい」8つの注意点 操作感からグレード/装備「お買い得度」まで

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ポイント4:マルチユースフラップが座り心地に違和感

新型スペーシアの目玉装備の1つである後席のマルチユースフラップは、先に述べた通り、オットマンになったり荷物をホールドしたりできる便利アイテムだ。

しかし、シートの座り心地という点では、座面の前端が硬めになるために、人によっては快適性に劣ると感じるかもしれない。こちらも、実際に座って確認されるといいだろう。

マルチユースフラップが不要なら、非装着となるHYBRID GやカスタムHYBRID GSを選ぶ手もあるが、スライドドアの電動機能や後席のスリムサーキュレーターなども省かれてしまうので、よく検討したい。

マルチユースフラップ非装備のカスタムHYBRID GSのインテリア(写真:スズキ)
マルチユースフラップ非装備のカスタムHYBRID GSのインテリア(写真:スズキ)

なお、オットマンをいっぱいまで持ち上げた状態では足が床から離れるため、走行中に万が一のことがあると、踏ん張ることができず、体が座面に沈みながら前側へ移動してしまう。また、シートベルトが腹部を圧迫する危険も生じる。

走行中はオットマンを過度に持ち上げず、足が床から離れないように注意したい。これはスペーシアに限らず、ミニバンなど他のクルマのオットマンにも当てはまる。

ポイント5:標準ボディでターボが選べない

前述の通りスペーシアのターボは、最大トルクが自然吸気エンジンの1.7倍でありながら、WLTCモード燃費は8%しか悪化しない。しかも、価格も割安だ。

カスタムHYBRID XSターボの価格は、自然吸気エンジンのカスタムHYBRID XSと比べて、7万8100円の上乗せに抑えている。しかも、ターボ車には、パドルシフトとパワーモードも加わるから、ターボエンジンの正味価格は6万5000円ほどだろう。

カスタムモデルでしかターボを選べないのは残念だ(写真:スズキ)
カスタムモデルでしかターボを選べないのは残念だ(写真:スズキ)

車重の重たいスーパーハイトワゴンにとって、パワフルなターボは実用的な性能を高める利用価値の高いメカニズムだ。これを正味6万5000円で用意できるのなら、標準車にも設定してほしいものである。

特にスペーシアの場合、カスタムよりも標準車の方が多く販売されるため、標準車のターボを求めている人も少なくないはずだ。

ライバルのN-BOXでは「標準車のターボは売れ行きが低調のため廃止」となったが、その背景にはスーパーハイトワゴンとターボの親和性が十分に訴求されていない事情もある。もう少し、ターボを積極的に選べるようにしてほしい。

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