スペーシアを「買う前に知りたい」8つの注意点 操作感からグレード/装備「お買い得度」まで

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スペーシアは、衝突被害軽減ブレーキなどの進化により市街地走行時の安全性が高く、燃費性能も優れている一方で、N-BOXはステアリング操作に対する車両の反応を洗練させ、乗り心地が上質である。

スペーシアが、日常的な使いやすさを重視するのに対して、N-BOXは高速道路を含めた長距離移動時の快適性や走行安定性に重点を置くためだ。4名乗車時の乗り心地にも配慮している。

左・N-BOX標準車、右・N-BOXカスタム(写真:本田技研工業)
左・N-BOX標準車、右・N-BOXカスタム(写真:本田技研工業)

N-BOXとスペーシアは、同じカテゴリーに属するライバル車同士だが、車両の性格は意外に異なるので、そうした点に注目して検討したい。この2車種は、今の日本車の売れ筋モデルをリードする車種だから、試乗すると今の日本のカーライフも深く理解できると思う。

なお、N-BOXは標準車とCUSTOM、CUSTOM ターボの3タイプを基本に用意され、装備の違いによるグレードは存在しない。標準車に「ファッションスタイル」、CUSTOMに「コーディネートスタイル」というデザイン上の違いがあるのみである。

N-BOX標準車のコーディネートスタイル(写真:本田技研工業)
N-BOX標準車のコーディネートスタイル(写真:本田技研工業)

お買い得という点では標準ボディ(164万8900円/2WD)で、カスタムならスペーシアと同じく動力性能に余裕のあるターボ(204万9300円/2WD)がいいだろう。

試乗して「自分のベスト」を見つけてほしい

新型スペーシア検討時のポイントをあえて「注意点」としてあげたが、基本的には先代の使い勝手をブラッシュアップし、よくできたクルマに仕上がっている。あとは、求める機能や装備があるか、ターボエンジンは必要か、試乗したフィーリングが自分にあっているかで、検討するといいだろう。

クルマを購入する際はディーラーでの試乗を強くオススメする(写真:スズキ)
クルマを購入する際はディーラーでの試乗を強くオススメする(写真:スズキ)

先に上げたN-BOXのほかにも、スーパーハイトワゴンにはタント、ルークス、ekスペースもあるから、いろいろなクルマに試乗して、自分のベストを見つけてみてほしい。

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渡辺 陽一郎 カーライフ・ジャーナリスト

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わたなべ よういちろう / Yoichiro Watanabe

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまにケガを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人たちの視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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