スペーシアを「買う前に知りたい」8つの注意点 操作感からグレード/装備「お買い得度」まで

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カスタムの「HYBRID XS」と「HYBRID XSターボ」は、15インチ(165/55R15)を装着する。ショックアブソーバーの減衰力など、足まわりの設定は14インチタイヤ装着車と同じだが、15インチ装着車は硬めながらも重厚感がともなう。タイヤサイズによって、乗り心地が異なるから、できることなら両方を試乗したい。

カスタムはアルミホイールが標準装備。自然吸気車は14インチ、ターボ車は15インチ(写真:スズキ)
カスタムはアルミホイールが標準装備。HYBRID GSは14インチ、HYBRID XSターボは15インチ(写真:スズキ)

ポイント2:自然吸気エンジンの実用回転域での弱さ

最高出力49馬力(6500回転)、最大トルク5.9kg-m(5000回転)の自然吸気エンジンは、2000~3000回転付近の駆動力が不足気味だ。

4000~6000回転の吹き上がりは活発だが、頻繁に使う実用域の駆動力をもう少し向上させてほしいところ。最大トルクが4000回転以下で発揮されるようになれば、街中などでさらに運転しやすくなるだろう。

タコメーターもすべてデジタル表示となる(写真:スズキ)
タコメーターもすべてデジタル表示となる(写真:スズキ)

ちなみにターボエンジンは、最高出力64馬力(6000回転)、最大トルク10.0kg-m(3000回転)だ。実際の走行に影響を与える最大トルクが1.7倍に増強され、しかも実用域の3000回転で発揮されるから、パワー不足を感じることなく運転もしやすい。

ターボエンジンの軽自動車といえば、燃費の面で不利なイメージがあるかもしれないが、スペーシアの場合、自然吸気エンジンのHYBRID XとカスタムHYBRID XSターボのWLTCモード燃費差は、わずか8%。

スペーシアのターボは、動力性能の向上率が大きく、燃費の悪化率は小さい。つまり、効率がいいのだ。予算があれば、ぜひ積極的に検討したい。

ポイント3:ステアリングの操作感が少し鈍い

いわゆる“ステアリングフィール”は、好みによるところも大きいが、スペーシアはハンドルを切り始めた直後の反応が少々、鈍い。切り始めから、スッと車両が正確に動くようになれば、操舵フィーリングがより上質になるだけでなく、扱いやすくもなるはずだ。

また、ハンドルを切ったあと、ハンドルが直進状態に戻る力が弱めなことも、付け加えておきたい。パワーステアリングの性格(味付け)のためだが、人によっては違和感が生じる場合もあるから実際に試乗して確認してほしい。

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