新型EV「コナ」投入、韓国ヒョンデの日本での勝算 価格と性能のバランスに自信示すも厳しい現実

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これまでのところ両者とも苦戦している。今年1月から10月末までのヒョンデの販売台数はアイオニック 5とネッソの2車種を合計しても383台、同じ期間のBYDはドルフィンを含む1020台。BYDが2倍以上売れているのはディーラー店舗による効果かもしれないが、ともに絶対水準は低い。

もともと日本は海外の自動車メーカーにとってとりわけ厳しい市場だ。年間の新車販売に占める輸入車の比率は6%弱(2022年)。この比率は長年大きく変わっていない。しかも、そのうち3分の2以上はドイツ車が占める。ブランドが浸透していないアジアメーカー、しかも参入したばかりの両者の台数が苦戦するのは当たり前だ。

加えて、EV自体が日本市場でまだ受け入れられていない。昨年度の日本の新車販売におけるEVの比率は1.9%。もっとも売れたのは日産の軽EV「SAKURA(サクラ)」で3.3万台、2位の日産「リーフ」が1.2万台。トヨタ自動車の「bZ4X」は926台だった。

十分に健闘している?

日本での販売チャネルも、ブランド力も段違いの日本勢のEVがこの程度しか売れていない現実を考えると、ヒョンデも、BYDも、十分に健闘していると言えるのかもしれない。

一度撤退した日本市場。EVのみ、オンライン販売のみで攻略する難しさをヒョンデは当然承知している。それでも「日本で培ったノウハウは資産となる」(趙CEO)と挑戦する姿勢は崩さない。

自信作のコナは起爆剤となるか。

個性的なデザインは好き嫌いが分かれそうだ(写真:ヒョンデモビリティジャパン)
井上 沙耶 東洋経済 記者

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いのうえ さや / Saya Inoue

自動車業界を担当後、現在は専門店やアパレルなど小売業界を担当。大学時代は写真部に所属。趣味は漫画を読むこと、映画のサントラを聴くこと。

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