最低賃金、実は「会社員にも関係アリ」な"その中身" 月給から自分の時給までたどり着く計算方法
次に、「月平均所定労働時間」ですが、そもそも所定労働時間とは労働契約上、働かなければならない時間のことであり、月ごとに異なる所定労働時間を年間で平均した時間のことです。月平均所定労働時間は、基本的には会社のルールブックである「就業規則(給与規程)」で確認できます。
たとえば1日の所定労働時間8時間、完全週休2日制で祝日が休日の会社は、月に160時間前後になります。1日の所定労働時間が短く、休日が多いほど、「月平均所定労働時間」は短くなり、それだけ時間単価も高くなります。
なお、「就業規則(給与規程)」で具体的な数字が記載されていない場合は、少し面倒ですが「365日-所定休日×所定労働時間÷12」で計算することもできます。
難関の固定残業手当を攻略しよう
会社によっては、残業を実際にしたかどうかにかかわらず、一定時間分の残業代を固定残業手当として、あらかじめ支払っているケースがあります。固定残業手当は、あくまでも残業代を定額で払っているだけですので、最低賃金を計算する際に除外する必要があります。
まず、固定残業手当が通勤手当などの手当と同様に固定残業代手当として明確に金額が見える形で支払われている場合は、単純に固定残業手当を除いて計算するだけです。問題は、例えば、「基本給には20時間分の固定残業手当が含まれる」のように金額がわからないケースです。この場合は、固定残業手当分を算出して、本当の基本給を割り出さなければ正確に時給を計算できません。まさに冒頭Aさんの会社のケースです。
例えば、基本給24万円に固定残業手当が20時間分含まれている場合です。なお、月平均所定労働時間は150時間とします。この場合は、時給単価はこうやって計算することができます。
つまり、時給は1371円になるため、最低賃金以上の月給が支払われており、問題ないことがわかります。
ちなみに、固定残業手当を除いた本来の基本給を出すには、
になります。
ちょっと難しいですが、Aさんの会社のように基本給などの手当に一定時間の固定残業手当が含まれている場合は、このように計算すれば時給単価が確認できるので、最低賃金や自分の残業単価を一度計算してみてもよいかもしれません。
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