「翔んで埼玉続編」監督ら語る県ディスりの線引き なぜ今回の舞台は滋賀?撮影の裏話も聞いた
若松:そして関西の話とはいっても『翔んで埼玉』というタイトルは失いたくないし、埼玉への恩恵もあるので、埼玉ネタはちゃんとやらなきゃいけないなと思ったんですけど、意外とやり尽くしたなみたいなところもあって。埼玉のネタを考えるのはいろいろ大変でした。
監督:せっかく作り上げたキャラたちは、やっぱり出したいので、そうするとおのずとやっぱり埼玉が軸にはなりますよね。
――関西では、自治体の人たちや地元の人たちとはどういう交渉や、やり取りを行ったのでしょうか?
監督:まずは大阪、神戸、京都にイジられている県はどこか探すところから始めました(笑)。
若松:まずは和歌山はどうかと思ったんですよね。埼玉って海なし県だから、関西に行くのも大船団で、船酔いしながら行くのは面白いよね、ということが着想にあって。脚本家(徳永友一)を連れて和歌山に行ったんです。
監督:そこで和歌山の人たちに『翔んで埼玉』について聞いてみたんですが、ほぼ観てないと言われて。聞いてみると和歌山で上映されたのは2館だけだったらしいんですよね。
そこから奈良や滋賀、大阪の人たちにもいろいろと取材をしていって。関西で埼玉的なところはどこなんだということでいろいろと話を聞くと、結構奈良という意見が多かったんです。
でも関東の感覚からいうと奈良ってすごいというか。平城京があるし、奈良時代もある。なかなかディスりづらいなと。そんな中で滋賀に行ったんですが、ここは琵琶湖以外、何もないなと思って(笑)。
滋賀の人たちから熱いアピール
かつ滋賀のフィルムコミッションにアテンドしてもらったんですけど、そこの方々がものすごい熱心で。ぜひうちをディスってくださいと。
それで調べてみると、滋賀ナンバーがゲジゲジと言われていることや、京都の人たちにかなりディスられているという自負が皆さんにあるようなことがわかってきて。それで滋賀がいいなということになりました。
――京都の人たちにディスられた時の滋賀の人の捨てゼリフとして「琵琶湖の水を止めたろか」というものもあります。
監督:皆さん必ずそれを開口一番で言うんですよね。これは相当定着してるキラーワードなんだなと思いました。
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