オープンAIクーデター、明らかな「勝者」と「敗者」 アルトマン解雇で塗り変わる「AI業界地図」
勝者:マイクロソフト
この週末、ナデラCEOほど環境が好転した人物はいない。
アルトマンが解雇された17日、ナデラCEOは最も強力な味方の1人を失うかに見えた。
マイクロソフトはOpenAIに130億ドルを投資し、同社はアルトマンのリーダーシップの下、マイクロソフトの重要なパートナーとなっていた。OpenAIの技術は、マイクロソフトが事業の将来を賭けている同社のAI製品群「Copilot」など、多くのAIサービスの基幹となっている。
自社に「ミニOpenAI」誕生したMS
ナデラCEOは明らかに、アルトマンの復職を望んでいただろう。しかし、それが叶わないことが明らかになると、彼は次善の策を講じた。アルトマンとブロックマン、そして彼らの忠実な支持者に仕事を提供するために迅速に動いた。
戦略的には、これは大成功だった。これでマイクロソフトは、短期的にはOpenAIのモデルを自社製品のパワーとして使い続けることができ、同時にアルトマン率いる新しいチームに、長期的にはマイクロソフトが所有する新しいモデルを構築するために必要な資金とコンピューティングパワーを提供することができる。
アルトマンはOpenAIから有能なAI研究者たちを獲得し、マイクロソフトはシリコンバレーのベンチャーキャピタルなら誰でも出資を申し込むような新たな”AI研究所”のすべてを事実上所有することになる。
勝者:AI破滅論者と効果的利他主義者
何年もの間、AIの研究者や活動家のコミュニティは、その多くが理性とデータを使って最もいいことをする方法を決定できると考える「効果的利他主義」運動に属している。