新越谷駅は、武蔵野線と当時の東武伊勢崎線との交差地点となったことで、武蔵野線南越谷駅より1年ちょっと遅れて1974年に開業した。そのころの東武伊勢崎線はまだ地上を走っていて各駅停車しか停まらず、駅の周りは田園地帯が広がっていた。
それが、いまや越谷の新たな街の中心といっていいくらいに発展を遂げた。新越谷駅は1994年までに高架になって武蔵野線を跨ぐようになり、1997年からは準急停車駅に。いまでは急行やTHライナーも停車する、スカイツリーラインの途中駅では屈指の存在になっている。
「駅の周りは商業施設や大きな病院があって、人が集まってくるエリアです。ここらへんで飲むんだったらゴールデン街もありますから(笑)」(中村駅長)
最初はけっこう歩いて乗り換えた?
武蔵野線の開通から新越谷駅が開業するまでの1年ちょっと、伊勢崎線と武蔵野線を乗り継ぐ人たちはどうしていたのだろうか。答えは簡単で、約1kmほど南にある蒲生駅から歩いていたのだ。
この蒲生駅も、中村駅長が預かる新越谷駅管理下の駅。
「新越谷駅と同じように高架なんですが、周りに何があるかというと……。どちらかというと昔ながらの田園地帯の中の住宅地ですね。実は、開業した頃はもっと北にあったらしいんですよ。その場所がどこにあったのかはわからないんですが……」(中村駅長)
蒲生駅が開業したのは1899年。移転したのは1908年だというから、ほんの10年ばかり使われた旧駅というわけだ。なんでも、いまの新越谷駅に近かったらしい。ただどちらにしても、高架化もされたし、周辺環境も一変している。わずか10年足らずで消え去った旧蒲生駅の跡地を探そうというのはもはや無理筋なのだ。
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