新NISAで気をつけたい長期投資に向かない投信 セールストークに惑わされないためには

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いずれも現在はまだ経済規模がそれほど大きくありませんが、まさに今、成長の途上にあり、高い経済成長率が期待されるとともに、なかには、人口が多いことからGDPがやがて日本を抜いていくだろうといわれている国もあります(中国はすでに抜いています)。

「高い成長率が期待される国ばかりなので、この手の国の企業に投資すれば、高いリターンが期待できるはず」という期待感から、過去においてさまざまな新興国投資信託が設定・運用されてきました。

確かに、新興国投資信託のなかには、過去、非常に高い運用成果を上げたものもあるのは事実です。

新興国投信にリスクは?

しかし新興国は、高い経済成長が期待できる反面、経済基盤がかなり脆弱です。なかには政情不安な国もあります。ある日突然、マーケットが閉鎖されることもあります。実際、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した時、ロシアルーブルやロシア企業の株価は大暴落しました。

日本の投資信託会社でも数社がロシア企業に投資する投資信託を設定・運用していましたが、売買停止に追い込まれるなど、その運用成績は今、悲惨な状態にあります。もちろん、ロシアによるウクライナ侵攻など、そう頻繁に起こるような出来事ではありませんが、このように運用成績の大暴落につながるような出来事が生じやすいのも、新興国投資のリスクです。

大暴落があったとしても、「長期的に経済が成長するなら、そのまま持ち続けることで、いずれリターンが得られるのではないか」という考え方もありますし、実際にそうなるのかもしれませんが、問題はこのような状況に直面した時、投資信託の運用を継続できるのかということです。大きく値下がりした新興国ファンドは、その過程で大量の解約が発生して、まともな運用が困難になるケースがあったというのがこれまでの実態だと知っておいてください。

日本企業もそうですが、先進国の企業は大抵、新興国に製造拠点などを置いており、新興国の経済成長によって業績を伸ばしています。ということは、グローバルに展開している先進国企業の株式に投資していれば、新興国の経済成長も相応に株価に反映されるはずなのです。

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