カワサキ「メグロS1/W230」昭和レトロな姿に歓喜 ネオクラシックブーム本命の軽二輪がお披露目

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まずは、これら新型2機種の源流を紐解いてみよう。車名にある「メグロ」と「W」は、2023年で、モーターサイクル事業参入70周年を迎えるカワサキの歴史上で、非常に重要なモデルの車名からきている。

まず、メグロとは、かつて存在した2輪車メーカー「目黒製作所」のブランド名だ。1924年に創業した目黒製作所は、第2次世界大戦前から戦後直後にかけて、数多くの高性能モデルをリリースし、一斉を風靡した企業だ。とくに500ccや650ccなどの大排気量モデルに定評があった。ところが、1950年代後半以降、小排気量モデルの人気が高まったことなどに対応できず、業績が悪化。1964年にはカワサキ(当時の川崎航空機工業)に吸収合併されてしまった。

1964年モデルのカワサキ250メグロSG
1964年モデルのカワサキ250メグロSG(筆者撮影)

そして、今回発表されたメグロS1は、合併後の1964年に発売された「250メグロSG」をオマージュしたバイク。カワサキも、このモデルを「正統な後継車」と発表しているため、まさに昭和のモデルを復刻させた最新のオートバイがメグロS1だといえる。

メグロを源流に持つWシリーズ

メグロS1ともに披露されたW230
メグロS1とともに披露されたW230(筆者撮影)

一方、W230は、カワサキが1966年に発売した前述の650-W1、通称「W1(ダブワン)」の車名を冠したモデルだ。624cc・並列2気筒、バーチカルツインの愛称を持つエンジンを搭載したこのモデルは、当時のバイクとしてはかなり高性能だったことで、世界的に大ヒットを記録。「大排気量の高性能モデル」という、のちに続くカワサキ製オートバイのイメージを生み出した名車だといえる。

そして、このW1は、同じく目黒製作所との合併後、1965年に発売した「500メグロK2」がベースだといわれている。つまり、メグロは、カワサキ「W伝説」誕生のきっかけとなったブランド名なのだ。しかも、2024年は、目黒製作所の創立100周年という記念すべき年。そして、これらの背景から生まれた新型が、メグロS1とW230というモデルなのだ。

ちなみに、カワサキは、従来、773cc・空冷2気筒エンジンを搭載する「メグロK3」と「W800」という大排気量の兄弟モデルを販売しており、新型2機種はそれらのシリーズに属する軽二輪タイプとなる。

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