フランスの「美食家と料理人」が挑む極上のポトフ 映画「ポトフ 美食家と料理人」の撮影裏話も
19世紀末フランス、もっとも華やかで美しき時代と呼ばれた“ベル・エポック”。さまざまな芸術や文化がその繁栄を謳歌していたこの時代、“食”もまた芸術として大きく花開いた。そんな時代を背景に、食の中に愛と人生を見出した人たちがいた――。
料理への情熱で強く結ばれた美食家と料理人の愛と人生を描きだした映画『ポトフ 美食家と料理人』が12月15日よりBunkamura ル・シネマ渋谷宮下、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開となる。
『青いパパイヤの香り』『ノルウェイの森』の名匠トラン・アン・ユン監督7年ぶりの新作となる本作は、本年度カンヌ映画祭で最優秀監督賞を受賞した人間賛歌である。
1冊の本との出会いから始まる
本作の企画は、ガストロノミー(食事を通じて、その料理の背景にある文化、歴史、芸術などの視点を交えて考察し、楽しむこと)についての映画をつくりたい、と考えたトラン監督が1冊の本と出会ったところからはじまった。
その本とは、マルセル・ルーフが1920年に出版した小説「La vie et la passion de Dodin Bouffant gourmet(原題)」(美食家ドダン・ブーファンの生涯と情熱)で、主人公のドダンは「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人か当ててみせよう」というアフォリズム(箴言)で知られる19世紀フランスの美食家ブリア=サヴァランをモデルとしている。
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