東洋経済オンラインとは
ビジネス #鉄道最前線

ロープウェー+モノレール?「Zippar」とは何者か ベンチャー企業開発、新たな都市型交通狙う

9分で読める
  • 森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト
2/4 PAGES

では、具体的にどのような技術が用いられるのだろうか。

まず、車体を見ると、2本のロープ上に台車(ロープをかませる凹みのある特殊なゴムタイヤを採用)が乗り、その台車からゴンドラ(客室)がぶら下がっている。形状は上野動物園モノレール(上野懸垂線)や湘南モノレールなどの懸垂型モノレールに近く、それを小型化したイメージである。

2本のロープ(軌道)に乗った台車。2本ロープなので横揺れに強い(筆者撮影)

既存のモノレールと大きく異なるのは、パンタグラフ経由で電力を供給するのではなく、台車に搭載されたバッテリーを電源としてモーターを動かす点である。つまり、電気自動車と同じ仕組みだ。実際、現在のZipparの試作機には、「軽の電気自動車の車台・モーター・バッテリーなどをそのまま転用している。商用化する際には、独自の台車を設計する予定」という。

試作機の台車(車体の上)は電気自動車の車台やモーター、バッテリーなどを転用している。最大速度は時速36km(編集部撮影)

直線はロープ、カーブはパイプ

次に軌道や支柱などのインフラについて見ると、軌道には前述したようにロープを用いており、これが「自走式ロープウェー」と呼ばれるゆえんである。ただし、ロープを用いることができるのは、張力の効く直線部分に限られる。では、カーブの部分はどうしているのかというと、鉄製の軌道上にロープと同じ太さのパイプを敷いている。ロープとパイプのつなぎ目(直線からカーブへの移行部分)にはアダプターを取り付けており、車両がスムーズに行き来できるようにしている。

ロープとパイプのつなぎ目となる部分(編集部撮影)

軌道を支える支柱は、試験線のものを見るとかなり細く見えるが、「あくまでも試験線用の仮のものとしてH鋼を組み合わせている。商用向けには直径1mくらいのT字型もしくは門形の支柱を用い、複線に対応できるようにする」という。また、ロープ部分の支柱間隔は、「200~300mおきに設置」すればよく、建設費の低減につながる(懸垂型モノレールの支柱の標準間隔は30m。Zipparもカーブ部分は同様)。

試験線の様子。カーブの区間はロープではなく鉄製の軌道上にパイプを敷いている(編集部撮影)

転轍機(ポイント)は、現在の試験線には設置されていないが、「軌道自体を動かすようなものを考えている」という。

3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象