中国EV手掛ける「空飛ぶクルマ」開発方針転換の訳 小鵬汽車、空中飛行と地上走行のユニット分離

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空飛ぶクルマの実現を目指す小鵬汽車の「夢」は2020年に始まった。同年9月、小鵬汽車と何氏個人の共同出資で小鵬匯天を設立。同社を主体に空飛ぶクルマの開発を進めてきた。

小鵬汽車が2021年10月に発表した最初のコンセプトモデルは、地上走行と空中飛行が両方可能な一体式の設計だった(同社ウェブサイトより)

2021年10月、何氏は(小鵬匯天が思い描く)空飛ぶクルマのコンセプトモデルの画像を初公開。それは4つのタイヤを持つスポーツカーのようなボディに、大型のプロペラを2基搭載し、地上走行と空中飛行が両方可能な一体式の設計を採用していた。プロペラは折り畳み式で、地上走行時はボディ内に収納できるようになっていた。

何氏は当時、この空飛ぶクルマを2024年から量産し、100万元(約2048万円)以内の販売価格を目指すと語っていた。

航続距離やコストを考慮

それから2年を経て開発方針を(一体式から分離式に)転換したのは、技術的な限界を考慮した面も大きい。

「一体式の空飛ぶクルマは、離陸時の総重量が分離式の飛行ユニット部分の3倍近くになる。飛行のための電力消費量が巨大だ」。財新記者の取材に応じた小鵬匯天の担当者はそう語り、次のように補足した。

本記事は「財新」の提供記事です

「地上走行と空中飛行の両立は、一体式の設計でも実現できる。とはいえ、われわれの(航続距離やコストなどの)期待値にはまだ遠く及ばない。現在の技術水準に鑑みれば、分離式の設計のほうがより現実的な選択だ」

(財新記者:方祖望)
※原文の配信は10月25日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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