成田修造、貧困家庭出身から成功できた意外な訳 「戦略的放任」が子どもの潜在力を引き出す

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子どもにあえて何も言わない、黙って子どもの自由意思に任せるという、親の「戦略的放任」こそが大事なのです。

親の役割とは?

親の役割は、子どもの個性と自主性を育む支援をすること。ぼくは、そう考えています。言いかえると、「親は子どもに気づきを与える装置」であると考えているのです。

「ああしろ、こうしろ」「あれはダメ、これはダメ」と強制するのではなく、

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「世の中には、こういう考え方もあるんだよ」

「世の中には、こんなにおもしろいものがあるんだよ」

「世の中は、変えることができるんだよ」

「目標を持ったほうが、人生は楽しいよ」

などと肯定的な言葉を刷り込み、気づきを与えていくのが親の務めです。

一方で子どもは、親に「ああしなさい、こうしなさい」と押しつけられても、「必ずしも、従う必要はない」と思います。

そもそもぼく自身には、「親の考えに従おう」とか、「親の期待に応えよう」という発想がありませんでした(たぶん兄にもないでしょう)。

もちろん、親を悲しませるようなことはしたくありません。だからといって、親の期待に応えたいとは思わない。なぜなら、「親を悲しませないこと」と、「親の言うことを聞くこと」はイコールではないからです。

親の言っていることが「一理あるな」と思えば、参考にすればいい。

「違う」と思えば、自分の頭で考えればいい。

親の意にそわなくても、子どもが自立心を持って人生を楽しんでいれば、心ある親ならば悲しむことはないはずです。

「自分は何をしたいのか?」

「何をしているときが幸せなのか?」

「どうすれば納得できる人生を送ることができるのか?」

を自分で考える。

誰かに決めてもらうことは、自分の思考を止めることです。大切なのは、「自分の人生を自分でつくっていく」ことです。

ぼくにも2人の子どもがいます。ぼくは、子育ては「子どもが『やりたい』と思える目標を見つける旅」に同伴することだととらえています。そのための機会は提供するし、支えもします。ですが、考えを押しつけたり叱りつけたりしないように心がけているのです。

成田 修造 起業家、エンジェル投資家

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なりた しゅうぞう / Shuzo Narita

14歳で父親が失踪し、その後、母親が脳出血で倒れ、破産する。そうした中で慶應義塾大学在学中よりアスタミューゼ(株)に参画。その後、(株)アトコレを設立し、代表取締役社長に就任。2012年より(株)クラウドワークスに参画し、大学4年生で執行役員になり、創業わずか3年目で上場を果たす。上場後は取締役副社長兼COOとして全事業を統括し、2022年には取締役執行役員兼CINOとして新規事業開発や投資に携わる。2023年、同社を卒業後、複数の社外取締役などに就きながら起業等新たな挑戦を開始。

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