「本当に就職に強い大学ランキング」トップ150校 ランキングの1位は順位を上げた愛知工業大学

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7位は工科系の芝浦工業大学で、8位には名城大学が入った。卒業生が少ないほど就職支援が行き届きやすいこともあり、ランキング上位には卒業生数が1000人台の大学が多い。そうした中、名城大の卒業生は3000人を超えている。就職支援の確かさとともに、理工と農といった就職に強い理系学部の卒業生が大学全体の4割以上を占めていることも、高い実就職率の要因になっているようだ。

9位には女子大の東京家政大学がランクイン。2023年春に恵泉女学園大学と神戸海星女子学院大学が募集停止を発表するなど、入り口の入試面で苦戦が続く女子大だが、出口の就職は好調であり、女子大全体の平均実就職率は、常に大学全体を上回っている。就職力を考慮すると、今の女子大の志願者の減少はもったいなく思える。ランキング上位に入っている女子大には、11位の実践女子大学、12位の昭和女子大学、13位の椙山女学園大学、26位の武庫川女子大学などがある。

難関国立大学、早慶上理、MARCH、関関同立は?

実就職率ランキングを見て気づくのは、いわゆる難関大が上位に入っていないこと。優秀で多様な人材が集まるトップ大学では、既存の会社への就職ではなく、自ら起業を目指す学生が少なくない。さらなる知識の獲得を目指して、海外留学や大学に入り直すなど、多様な進路選択をする学生も多いことから、実就職率は上がりにくい傾向にある。

旧帝大に東京工業大学、一橋大学、神戸大学を加えた難関国立10大学、早慶上理(早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学、東京理科大学)、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大、中央大学、法政大学)、関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)の状況を見ておこう。

難関国立10大学中、卒業生1000人未満で対象外の一橋大(91.6%)を除くと、ランクインしているのは、名古屋大(111位)、九州大(127位)、東京工業大(130位)、神戸大(143位)、東北大(145位)の5大学。北海道大(83.5%)、大阪大(82.5%)、京都大(77.6%)、東京大(65.8%)はランク外となっている。

早慶上理でランクインしているのは、28位の工科系の強みが生きる東京理科大のみで、慶応義塾大(84.9%)、早稲田大(82.5%)、上智大(80.2%)はランク外。

MARCHは、青山学院大(57位)が最上位で、中央大(88位)、明治大(92位)、法政大(94位)、立教大(122位)が続く。関関同立は、トップの関西学院大(65位)以下、関西大(85位)、同志社大(109位)、立命館大(123位)となっている。

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