静岡「新幹線停車数」リニア開業前でも増やせる? 現行ダイヤで試算、「のぞみ」の停車も可能か

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「のぞみ」は列車によって「こだま」や「ひかり」を追い越す駅が異なり、そのため同じ区間でも列車によって運転速度が異なる。最高時速の285kmで走れる区間は多いにもかかわらず、静岡県内の大部分で230~240kmしか出さない列車もある。

N700SとN700A
東京駅に並んだ東海道新幹線の列車。手前は最新型のN700S(撮影:尾形文繁)

また「のぞみ」は3分の間隔を開けて2本連続して運転されているが(例えば東京駅09分発の次が12分、21分発の次が24分など)、少しでも通過待ちの時間を減らすため「こだま」を追い抜く時だけ最短で2分間隔になることもあり、緻密な速度調節が行われている。さらに、1本目と2本目を束にして三島駅で「こだま」を追い抜いた後、豊橋駅では2本目と3本目の「のぞみ」を束にして「こだま」を追い抜くなど、通過待ちを極力2本まで抑えるためにさまざまな配慮がなされている。

こういった通過・追い抜きのやりくりを考慮した結果、ある「のぞみ」だけは今のダイヤパターンを崩すことなく、新横浜―名古屋間の発着時刻を変えずに静岡駅停車が実現できる可能性が見えてきた。

東京駅 東海道新幹線 発車案内
東京駅の発車案内。「のぞみ」は新横浜を出ると次は名古屋まで停まらない(撮影:尾形文繁)

余裕のある「のぞみ」がある

それは東京駅毎時42分発と、新大阪駅毎時33分発の「のぞみ」だ。これらはいずれも新横浜―名古屋間1時間22分運転で、小田原駅または豊橋駅停車の「ひかり」と1分しか所要時間の差がない。また、静岡駅通過時に「こだま」や「ひかり」とダイヤが重なっていないため、ホームのある線路が空いている。しかもこの列車は、静岡駅停車の「ひかり」との間隔も30分前後でタイミングもよい。まるで何かあればいつでも静岡駅に停められるように作ったかのようなダイヤだ。

東京駅毎時42分発の下り「のぞみ」は、先行する39分発の「のぞみ」と束になって三島駅で「こだま」を追い抜いた後、今度は後続の48分発「のぞみ」と束になって豊橋駅で「こだま」を追い抜くために、静岡県内の多くを時速240km程度で比較的ゆっくりと走る。反対に、新大阪駅毎時33分発の上り「のぞみ」は、三島駅で追い抜く「こだま」に追いつかないように、静岡県内は時速240km程度で走っている区間が多い。どちらも余裕を持ったダイヤであり、その分を静岡駅停車に充てられるのではないかということだ。

筆者想定のダイヤ
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