検査不正後の三菱電機、工場で感じた「残念な点」 鉄道部品大手「再発防止策」は万全なはずだが

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三菱電機 インバータ組み立て
三菱電機伊丹製作所の制御装置製造工場(記者撮影)
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三菱電機が製造する鉄道車両向け空調機器において、長年にわたり不正な検査が行われていたことが発覚したのは2021年6月のことである。同社は鉄道車両の製造こそ行っていないが、鉄道車両用電機品の売り上げはおよそ2000億円。車両メーカー大手の日本車両製造や近畿車両の売り上げをはるかに上回る「知られざる大手鉄道メーカー」である。それだけに同社の検査不正は顧客である鉄道業界に衝撃を与えた。

不正発覚受け「初の視察会」

その後の調査の結果、品質にかかわる不正は鉄道関係にとどまらなかった。さらに、空調機器を製造する長崎製作所にとどまらず、伊丹製作所などほかの製作所でも品質不正が発見された。外部調査委員会が1年あまりをかけて退職者も含む社員および関係者へのヒアリングなどの調査を進め不正の全貌を把握、2022年10月20日に最終的な調査結果を発表した。

それから約1年後の2023年10月19日、三菱電機は伊丹製作所の報道関係者向け視察会を実施した。同製造所では駆動機器、制御機器、車内モニターなどの鉄道車両用電機品を製造しており、この製作所でも振動試験や保護動作試験などにかかわる不正が発見されている。

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