鈴木宗男氏「国力に差、圧倒的にロシアが強い」 「日本の悲惨な歴史をウクライナにさせるな!」

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小野寺五典(自民党・安保調査会長/元防衛相):停戦をするということは大切だと思う。ただ、鈴木議員の話を聞いていると、侵略をして領土を取って、そこを武力で占領しているということ。まずこれ自体がおかしい話なのに、それを肯定し、これはもうロシア側のやっていることは正しいのだと。そして、仮に停戦をして、ゼレンスキー氏に出すメッセージというのが「侵略された土地はもう手放しなさい」と。

で「(その土地を)諦めて、降参をして停戦しなさい」と。これであれば逆に言うと、今国際社会の中で、力によって侵略して領土を取ることが肯定されてしまう。それが正しいことだというふうに受け止められてしまうのではないか。そういう心配を持って、おそらく日本国内でも、今回鈴木議員がロシアに行ったことの是非の問題の以前に、私たちはやはりこの問題は、日本も同じことに直面をする。もしかしたらどこからか侵略を受けてしまうかもしれない。その時に力によって領土や領空を取られてしまうことをむしろ肯定してしまうようなことがあってはならない。

だから、ウクライナに対して、私たちは応援をし、ロシアのやったことは非難をしている。この大きな筋の中で、私たちは議論している話なので、停戦は大事だけど、そのためにはもう降参しなさいというのは、もっと大きく世界に不安をもたらしてしまう、そんな心配を持っている。

訪露の波紋“ロシアは屈しない”発言の真意

鈴木宗男氏:私は(ロシアを非難する)国会決議も賛成している。ロシアの侵攻は侵攻だと私は分かっている。その上で、先の対戦でも日本が先に戦争を仕掛けたが、日本には日本の理屈があったのではないか。だから、私は戦争だとか紛争は相互に言い分があるから、やめさせることが一番だと思う。

小野寺五典氏:鈴木議員は今、侵攻と言ったが、私は侵略と思っているので、あくまでもあれは……。

鈴木宗男氏:侵攻も侵略も一緒だ。

小野寺五典氏:それはだいぶ違う。やはり、相手の領土を奪う目的で一方的に攻撃を仕掛けている。これは侵略、今回のウクライナに対してやったことは侵略だと思う。

鈴木宗男氏:私は去年3月の国会決議は認めて(賛成して)いる。その上で、なぜこういう事態になったか、ということも考えなくてはいけないのではないか。 

玄葉光一郎(立憲民主党、元外相):「渡航中止勧告」が出ている中で行くべきかどうかというのは、時と場合によるので、あまり目くじら立てる必要はない、というのが最初の答え。その上で、この認識の表明って話は、単に認識の表明ならいいが、相手側に言うと相手側は少なくとも励まされているという風に感じる可能性はあるなというふうには思う。あと、小野寺議員が言ったことに、ほぼ同感なのは、ロシアのやり得になっちゃダメだろうと。

結果としてやり得になっちゃったら、これは日本の全体の安保環境を考えたら、優先順位は中国だ。中国はじっと見ている。力による現状変更を許してはいけないっていうのが最大の我々の優先順位だと思う。やり得を認めたら、ある意味、日本の安全保障に直結するっていうふうに考えざるを得ないので、色んな議論はあっていいが、その場合にまず、力による現状変更はやっぱりいけなかったよねと。軍による現状変更はいけなかったよね、ということを枕詞でやっぱり言うべきだと思う。

(写真:FNNプライムオンライン)
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