訪日客だけ優遇?ジャパン・レール・パスの問題点 誰もが買える「全国乗り放題券」作ってはどうか

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青春18きっぷで利用できる全国のJRの路線が減少して、特急列車の自由席を利用できる特例の区間や、オプション券などまで用意されるようになったが、それならば現代に即して特急や新幹線、JRから経営分離されたものを中心に第三セクター鉄道にも乗車できる”新装青春18きっぷ”の発売を考えてもよいのではないか。

発売期間・有効期間が限定的でも発売されれば、廉価なジャパン・レール・パスへ不満を持つ人の溜飲も下げられる。「大人の休日倶楽部パス」のように閑散期に発売すれば需要の喚起や平準化にも役立つ。

全国鉄道旅ができるきっぷを

50代の私が少年時代、青年時代に存在した全国規模のフリーきっぷは、私があちこち旅に出るきっかけを作ってくれた。現代の鉄道事情に即した形で再登場することになれば、今の少年、青年たちも、当時の私たちと同じように全国を旅しやすくなるだろう。

今の青春18きっぷ料金の1万2050円では収まらない料金にはなってしまうが、オプション券を購入したり、第三セクター鉄道の運賃を払ったりを繰り返すくらいなら、値上げをしても釣り合いは取れる。

国鉄改革法が国鉄をJR各社に分割したのは「主要都市を連絡する中距離の幹線輸送並びに大都市圏及び地方主要都市圏における輸送その他の地域輸送の分野において果たすべき役割にかんがみ、その役割を担うにふさわしい適正な経営規模の下において旅客輸送需要の動向に的確に対応した効率的な輸送が提供されるよう」にするためとしていた(日本国有鉄道改革法第6条第1項)。

適正な経営規模、効率的な輸送の要請と、全国規模の旅行者向けのフリーきっぷは矛盾しない。JRはもちろんいわゆる並行在来線として分離された第三セクター鉄道の列車はそれぞれの結節点で有機的につながっているのだから、利用者の流れを分断することなく、同じように有機的につながるようなきっぷの登場を期待したい。

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小島 好己 翠光法律事務所弁護士

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こじま よしき / Yoshiki Kojima

1971年生まれ。1994年早稲田大学法学部卒業。2000年東京弁護士会登録。幼少のころから現在まで鉄道と広島カープに熱狂する毎日を送る。現在、弁護士の本業の傍ら、一般社団法人交通環境整備ネットワーク監事のほか、弁護士、検事、裁判官等で構成する法曹レールファンクラブの企画担当車掌を務める。

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