【産業天気図・外食】BSEショックは一段落。市場低迷の中、M&Aによる成長模索が続く

景気低迷や、コンビニ弁当・総菜等の中食(なかしょく)の拡大で市場縮小が続いている外食産業だが、上場外食各社の業績は、おおむね増益基調となっている。全社合計の営業利益では、前期実績が約8%の減益だったのに対し、今期は約14%の増益見通しで、来期も17%程度の増益が見込まれている。BSE問題で大打撃を受けた業態の復調と、不振会社のリストラの進展が増益に寄与している。
 業態別にみると、前期に大減益となったどんぶり業界が復調している。特に吉野家ディー・アンド・シー<9861.東証>の黒字転換や、積極的なM&Aを繰り広げるゼンショー<7550.東証>の増益効果が大きい。とはいえ、今期利益は前々期には及ばず、過去の水準を回復するのは来期以降となりそうだ。すしやうどん・そばも今期は増益に転じる。焼き肉業態も、ほぼ横ばい圏だった業績が、大手のレックス・ホールディングス<2688.ジャスダック>の復調もあり、増益軌道に乗る。
 一方、ファストフード業態は、日本マクドナルド・ホールディングス<2702.ジャスダック>の低価格戦略のあおりを受け、大幅な減益になる。マクドナルド自身が利益を削ってシェア拡大に乗り出しており、その影響で他社の業績が圧迫されている。マクドナルドは新商品投入など徐々に客単価の引き上げに転じており、来期は増益を見込んでいる。
 ファミリーレストランも低調だ。最大手のすかいらーく<8180.東証>はほぼ横ばい、ロイヤルホールディングス<8179.東証>は減益となりそうだ。既存店は底入れ感が出ているものの、市場全体の飽和で大きな伸びが見込みづらい。
 市場全体が弱含みで推移する中、各社とも多店舗展開とM&A、多角化などによる成長を模索している。引き続き、大手による中堅以下の買収が進むことになりそうだ。
【丸山尚文記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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