絶対王者「N-BOX」はどんな人が買っているのか? 売れ続けた2代目N-BOXを購入者分析で振り返る

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結果、「指名買い」が最も多かったのはN-BOX購入者で、その割合は60%を超えていた。次いでルークスとタントが50%強、スペーシアが45.2%と続く。絶対王者N-BOXは、そもそも他のクルマと比較されることが少ないようだ。

それでも、N-BOX購入者の4割弱は、他車を検討している。そこで、「最後まで比較検討した車種」の結果を紹介したい。

N-BOX購入者の比較検討車種は、タントが1位だった。販売台数ナンバーワンとナンバーツーは、やはり強いライバル関係になるのだろう。

注目すべきは、N-BOXの競合である3車種すべてが、N-BOXを最も比較検討している点である。ここでもN-BOXの強さが表れている。

タントとスペーシア購入者はそれぞれお互いに比較しあっているものの、N-BOXが頭1つ抜け、そこにタントとスペーシアが加わる三すくみの状態であることがわかる。

カスタムのデザイン変更で販売のテコ入れを図ったタント(写真:ダイハツ工業)
カスタムのデザイン変更で販売のテコ入れを図ったタント(写真:ダイハツ工業)

タントの3位には、タントと同じくダイハツのスライドドア車である「ムーヴキャンバス」が、スペーシアの3位にはスズキの「ハスラー」がランクインしており、同メーカー内での検討も多いことがうかがえる。なお、いずれの車種でも最終検討車種のトップ3にルークスは、入っていなかった。

ファーストカーとして選ばれる軽自動車

続いて、そのクルマが日々の生活の中でどのように使用されているのかを見る指標の1つ、「保有台数」を確認する。

注目すべきはN-BOXの「1台のみ(購入車のみ)」の多さである。つまり、セカンドカーとして軽自動車を購入しているのではなく、ファーストカーとして通勤や送迎、レジャーなどにフル活用しているわけだ。

車種間で比較すると10pt弱の差とはいえ、N-BOXは他の軽スーパーハイトワゴンよりも世帯内での役割が多いと考えられる。

ちなみに、世帯内で他に保有するクルマ(併有車)は、N-BOXとルークスでは同メーカーであるホンダ、日産である人が最も多い。一方でタントとスペーシアでは、トヨタ車が1位だ。

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