中国ではネット通販やネット出前が消費者に広く普及する過程で、宅配サービスの強力なインフラが形成された。その基盤を活用し、ネットサービス大手は(あらゆる商品を顧客の玄関先まで届ける)「万物デリバリー」の実現を目指して取扱品目を拡大。かつてはスーパーマーケットの牙城だった生鮮食品の市場にも浸透しつつある。
例えば美団の即時零售サービスである「美団閃購」は、すでに4600超の大型チェーンストア、37万店の地域の小売商、(食品や日用品などの)350社の大手メーカーと提携関係を構築。生鮮食品から日用雑貨まで幅広い商品を24時間体制で受注・宅配している。
「わが社が運営する倉庫兼配送拠点はすでに5000カ所に達した。美団閃購の受注件数は1日当たり平均150万件を突破し、各拠点では毎日300件前後の注文に対応している」。美団の副総裁で美団閃購の事業責任者を務める肖昆称氏はそう話し、事業のさらなる拡大に意欲を示す。
従来型スーパーマーケットは苦況に
ネットサービス企業が攻勢を強めるなか、従来型のスーパーマーケットは二者択一の苦しい選択を迫られている。店舗近隣の固定客を基盤にしたビジネスモデルを維持するか、それとも赤字覚悟(の先行投資)で自らネットサービスに打って出るかだ。
伝統的なビジネスモデルに固執すれば、事業が縮小均衡に陥るリスクがある。とはいえ、サービスのデジタル化には多額の投資が不可欠であり、(スーパーマーケット事業の利益率では)それに見合う利幅を確保できないというジレンマに直面している。
(財新記者:孫嫣然)
※原文の配信は9月15日
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