JT、「キャビン」「キャスター」の名称を変更 基幹ブランドを強化しアジアを攻略
[東京 20日 ロイター] - JT<2914.T>は20日、「キャビン」と「キャスター」をグローバル・フラッグシップ・ブランドの「ウィンストン」に統合すると発表した。サブプレミアムの価格帯でブランドを統合することで、効果的な投資も可能となる。「ウィンストン」ブランドとして味や香りのバリエーションが広がるため、欧米とは異なるし好のアジア市場を攻略する商品と位置付けている。
小泉光臣社長は会見で「シガレットは欧米発なので、アジアのし好に応えるには既成概念を破る挑戦が必要」と述べた。
同社は、アジア市場でのプレゼンス向上が課題と認識しており「新ウインストンとして、まずは日本市場でプレゼンスを高め、シェアを拡大する。それをてこにアジア市場での新規市場の開拓・拡大につなげる」とした。
日本市場で8月上旬からブランド名称を「ウィンストン・キャビン」「ウィンストン・XS・キャスター」として展開。10月中旬から新デザインへと順次刷新する。全世界統一のパッケージとするが、各国での切り替え時期は未定。切り替えには数十億円のコストが想定されるが、2015年12月期予想に織り込んでおり、修正はないとした。
切り替えを先行させる日本市場では、サブプレミアム市場の「ウィンストン」「キャビン」「キャスター」の3ブランドを合わせても、「ケント」や「ラーク」には及ばない。小泉社長は「5年をめどにこれらのシェアを超えていく」と述べ、1位を目指す方針を示した。
「ウィンストン」は年間販売数量約1300億本で、世界第2位のブランド。現在、111を超える国・地域で販売しており、JTの世界戦略をけん引するブランドのひとつ。
同社は、2013年に「マイルドセブン」を「メビウス」に名称変更した。「メビウス」は同時にプレミアムブランドとしての位置付けを明確にしており、日本市場での値上げが課題となっている。小泉社長は「リブランディングして、想定以上の好結果を得ている。今の好調さを見ると相応の力が付き始めている」としながらも「ゴーサインまでもう一息ブランド投資が必要」と語り、慎重な姿勢を示した。
(清水律子)
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