ビッグモーター不正で金融庁が新たに「報告命令」 損保ジャパンの主張を覆す「証拠固め」が狙いか

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三井住友海上がビッグモーターに対して、条件次第では「これ以上不正請求を深くは追及しないと耳打ちしているようだ。このままでは(契約が奪われる)厳しい状況だ」という趣旨の発言が、中村氏からあった。

競合他社が不正請求にいち早く目をつぶる姿勢を示し、契約を奪いに来ようとしているのであれば、自分たちも同様に目をつぶり、先手を打つように入庫誘導(事故車のビッグモーターへの紹介)を再開して契約シェアを守るべきという議論の流れが出来上がった瞬間だった。

三井住友海上とあいおいの連携

一方で不自然なのは、中村氏が「ビッグモーター本部が7月はあいおい(ニッセイ同和損保)に自賠責契約を割り振ると各店舗に通知し始めている。三井住友海上とあいおいが連携しているのは間違いない」と発言したという点だ。三井住友海上とあいおいは、ともにMS&ADインシュアランスグループホールディングス傘下の損保である。

損保ジャパンからビッグモーターとの癒着を疑われた三井住友海上(写真:記者撮影)

表向き、不正請求を追及している三井住友海上は自賠責の割り振りを停止されてしまうかもしれないが、MS&ADグループとしてあいおいを自賠責の受け皿にしようと画策しているに違いないと、中村氏が煽り立て、白川氏ら役員が同調したことになっている。

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