しかしながら、三井住友海上とあいおいががっちりと連携して、1保険代理店の自賠責契約のおこぼれを目の色を変えて取りにいくことなどあり得ないことは、損保業界にいる人間なら容易にわかる話だ。同じグループとはいえ、三井住友海上とあいおいの連携はそれほど強くないからだ。
契約流出に対する危機感が真因とは考えにくい
また仮に三井住友とあいおいががっちり連携していたとしても、ビッグモーターの不正請求の隠蔽に加担するという“背任行為”を犯してまで、損保ジャパンが取引再開に踏み切る理由としてはあまりにも弱い。それゆえ、損保ジャパンが主張する他社への契約流出に対する危機感が取引再開の「真因とは考えにくい」(金融庁幹部)わけだ。
金融庁としては、白川社長が記者会見で強調していたそうした主張を覆すためにも、まずは三井住友海上に詳細な経緯説明を求める必要があると判断。「任意のヒアリングではなく、虚偽報告すると罰則がある報告命令でも三井住友海上はこう言っているが、あなたたち損保ジャパンの主張は本当に正しいのか」と突き付けようとしているとみられる。
折しも金融庁は、9月19日に損保ジャパンに立ち入り検査に踏み切ったばかり。それからわずか数日で逃げ道をふさぐ証拠固めをしようとしているところに、損保ジャパンへの不信感と憤りの強さが透けて見える。
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